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緒言 分子研リポート2008 | 分子科学研究所

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研究施設の現状と将来計画 293

8.研究施設の現状と将来計画

日本の学術研究行政は依然として憂うべき状況にあると考えられる。研究活動等の評価は当然行われなければなら ないが,現在の状況は,「評価疲れ」と言う言葉に表されている通り行き過ぎた状態であり,今後の改善が強く望ま れる。

昨年度報告したとおり,平成19年度から分子研の組織は大幅に改編され,研究系と施設を大きく4研究領域にま とめた。それぞれの領域内の連携が深まったものと思っている。また,各施設は,大学共同利用機関の施設として分 野コミュニティーに対して極めて大事な役割を担っており,そのあり方について常に議論がなされている。各施設の 現状,改善の努力,及び,将来計画の議論等が本節にまとめられている。

詳細については各施設における議論を参照願いたいが,常に問題となるのが設備の高度化,購入,拡充の必要性で ある。所内の研究者と技術職員による高度化と改良の努力,及び,予算の工面による共通設備の購入等を実施してい るが,まだほんの一部に限られている。施設の拡充は,分子科学コミュニティーの研究者が行う基盤的研究を支える と共に,最先端研究の遂行を支援するために欠くことの出来ないことである。研究者自身の努力と共に,国の学術研 究支援強化が切望されるところである。

序言で述べたが,国の「光・量子科学研究拠点形成に向けた基盤技術開発」事業の一環として,平成20年度後半 から,「量子ビーム基盤技術開発プログラム」を極端紫外光研究施設が,また,「最先端の光の創成を目指したネットワー ク研究拠点プログラム」を分子制御レーザー開発研究センターが責任を持って遂行している。しかも,前者のプログ ラムでは,両施設が緊密に協力することによって強力なコヒーレント放射光の開発が進められようとしている。

国の基幹事業として進められている「次世代スーパーコンピューター開発」に関して,分子研は,ナノサイエンス に係るアプリケーションソフト開発の中核的役割を果たしてきている。次世代スーパーコンピューター完成後に,こ れら開発されたソフトを基盤として分子スケールナノサイエンスを更に発展させるために,分子科学研究所が同分野 の拠点となるべく,理論・計算分子科学研究コミュニティーの方々と協力して検討が進められている。

(中村宏樹)

参照

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